• 秋山妙子

台風が去った夜


外を歩いてみました。

雨風になぶられた金木犀の香りが苦しいくらい甘く香って、樹々の血のような葉の香りと共に、建物ごと熊野かどこかの山に持っていかれたようで、異次元のような空気感。

台風後の夜って、必ず誰かがうろついてるものですが、今日は一日がかりだったから、皆疲れたんだろうな、誰一人見かけず、本当に静か。

あちこちのマンホールから、普段耳にしない濁音が聞こえて、それも山の中に開発された集落みたいでした。

おやすみなさい。


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