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5メートル3種目

執筆者の写真: 秋山妙子秋山妙子

朝、緑の細い階段を登って、誰もいない並木道に出たら、ランドセルをしょって、キルティングの重そうな手提げ鞄を持った小学生の坊主が、一人で後ろ向きに歩いていた。

という訳で、私たちは向かい合った状態で、気まずい距離を保ちながら歩行を続けていたのですが、

シャイな日本男児としてはこの緊張感に堪え兼ねたと見えて、くるっと正しい方向に身体の向きを変えたかと思うと、急に地面を見ながらつま先で細かく歩き出しました。

絶対に石畳の線を踏まない。

男子が大好きな歩き方です。

線を踏んだら俺は死ぬ って考えてるに決まってます。

すぐに飽きて(存命)、今度は手提げ鞄を大きく前後に振り出し、鞄が後ろに振れる力を利用しながら楽して前に進む方法に切り替えました。

俺は全く力を必要としないで前に進んでいるのだ!

ご満悦な顔ですが、重い手提げ鞄が前に行く時に自分が後ろに下がっちゃってるのを忘れてます。楽しそうです。

ここでわたしは彼を追い抜いて先に行きました。大人だからね。笑

この後彼は、路面のミミズを棒で拾い上げたり、怪しい水たまりに石を沈めたりして、存分に寄り道するに決まってます。

5メートルの間に3回も歩き方を変えながら。

あんな調子で、40分も授業を聞けるんだろうか、座ってられるのだろうか。

まあ楽しそうだからいいや。

5メートル3種目競技の実況をお送りしました。

写真は田舎で捕獲された甥です。どいつもこいつも。笑

世界は楽しかろう、私も楽しいです。

私も世界を、このくらいの楽しさで受け入れて生きていきたいです。

皆さまはどうでしょう?

ではでは、サロンでお会いしましょうね!


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