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執筆者の写真秋山妙子

万引き家族


「万引き家族」を観て来ました。

これは去年、文化的アンテナを割合素敵に立ち上げる父が、

「日本の映画がカンヌで最高賞を受賞した」

に関心を寄せ、

田舎のイオンで上映が決まるなりネット予約をして観て来た後、

私に長々と感想を申し立ててきた映画なのです。

①世界のトップに立った日本映画と聞き、日本的または社会的なモチーフを壮大に取り上げた大河的映画だと思っていた

②世界のトップに立った日本映画と聞き、主演まわりは渡辺謙や役所広司など錚々たる役者が顔を並べているのだと思っていた

③世界のトップに立った日本映画と聞き、監督はクロサワ的に厳しい人がハンバーガーを投げつけたり、100回取り直しをさせて女優を泣かせるなりして地獄の特訓のような形で撮影しているのだと思っていた

それがどうだろう。

モチーフは貧困家族、

蓋を開けてみれば家族でもない共同体、

主役は、何この名前?どこの国の誰?のリリーフランキー、

顔を見ればぬらぬらした目の小さいおっさんで、

現場では台本を渡さずその場の空気を俳優達に説明することもあり、

とても居心地の良い現場で仕事が進んでいたという。

父は映画そのものに大変に驚愕し、

パンフレットを熟読した上2度目の驚愕後、

存分に魂をかき回されて、私に長々とその話をしてくれたのです。

いや凄い、凄い、

昔のような強引なカリスマを持つ人がいなくなっているのかも知れないし、

そんなワンマンなやり方では、もう誰もついてこないのかも知れない。

時代は変わったと思った。いや、凄かった。

という訳で、長い前ふりをしましたが、

何が言いたいかというと、

父の感覚はなかなか良いということ、

それから実際の映画はもう、

私の今まで見てきた邦画の中でベスト1ではないかと思えるほど良かった、

ということなのです。

もう色々と言いたいことがありすぎて

このブログがあと1メートルくらいにのびてしまいそうなので、

共有したい方は是非サロンにお越しください!

夏は家族の肌がべたべたな汗で臭うように光り、

冬は部屋で着込んで、くっつき合って湯気の立つ麺をすする。

部屋の湿気、庭の暴力的な緑、

唇の離れる音や鼻から抜ける息まで聞こえてくるような自然なつぶやき。

雨、花火、雪、北風。

繊細な多面性と奇跡のような均衡が、

限界まで重ね続けられてできたものは、

「はかない」や「美しい」で済ませたくない、

絆とか家族愛とかで絶対にまとめたくない何かで、

ずっと誰かと語り明かしたい、素晴らしい映画でした。

ああ、良かった。

皆様も是非。

追伸:同時上映の「カメラを止めるな!」は、大きな音や怒鳴り声が苦手な私にとってはただただ、非常に苦痛な映画でした。。。。

オイルマッサージが終わると、皆さん鏡を見て

「わー!!」と驚かれます。

首、頭をゆっくりゆっくり施術することで、

その人の現在の中で、一番、愛くるしい顔に。(男性も)

デート前にどうぞ!

ではでは、サロンでお会いしましょうー!


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