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執筆者の写真秋山妙子

身体の気品


スウェディッシュマッサージikiにいらっしゃるお客様の中に、お若い頃に大きな手術を乗り越え、普通の人の半分くらいに行動をセーブしながら、危なっかしい身体と共存して生活していらっしゃる方がいます。

気温、湿度、人いきれ、そしてその日の体調、食べたもの、睡眠。

いくつもの細かい条件いかんで、すぐ具合が悪くなる、腸閉塞になってしまう。今日の待ち合わせ場所に辿り付けるかどうかもわからない。

体調についてくよくよ言わないので、ただの静かな人に見える。だから誤解も受けるし、説明しても健康な人にはなかなか通じない。

私も未体験のことに関しては鈍いところが多々あるので、自分を振り返りながらも

「皆がそういった方の気持ちや生活の様子を理解できればいいですね」

と言ったら、返って来た返事は

「そうなんです、説明するのが面倒で」

ではなく、

「いいんです、健康な人はこんな弱いところに眼を向けないで、経済を動かしたり、大きな研究をしたりしてもらわないと、世の中が進まない」

はあー、強い。

彼女は、彼女の領域で。

他にも何人かいらっしゃいます。

長い入院、内臓の異変。

「身体が駄目になったら、自分はどうなるのだろう」

身体が有限、そして無くなることも現実に自分に降りかかることがある、そのどうしようもないところに接したことのあるお客様は、その後無意識に、身体を大切に扱います。靴を脱いだら、磨いて、シューキーパーを入れて、靴の棚に並べるように。

そういう方のお体は、静かだけど、とても美しい気品があります。大切にされているものから出る気品です。

そのお客様からメールが来ました。

日常の面倒くさいことをユーモラスに書いてあるメールの最後に、

「人生はクローズアップで見れば悲劇だが

ロングショットで見れば喜劇だ」 チャップリンの言葉です。

と書いてありました。

うーん、お客様から、教えていただくことが本当に多くて!!!

また、来て頂けたら、光栄です。

ということで、2月もそろそろ終わりですね、

身体、大切にして、気品のある身体を一緒に作りましょう。

ではでは、今日も良い日に。


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