• 秋山妙子

「透視で描写」


家を出たら定期券を持っていないことに気づいて、家に戻った。

どこにも無い。これは落とした可能性大。

途中の交番に聞き、駅について駅員に聞いた。届いていない。

どうしませう。

「定期が無いの。どこにあるのか透視してちょうだい」

と、外国に住む、たまに超能力を発揮する友達にいきなり聞いてみた。

彼女は小学校の4年生に転入してきて、毎日遊んで、5年生が終わるときに転校してしまって、それきり。

と思いきや、20代前半に山の手線で電車を待っていた私の肩を指でトントンし、「秋山・妙子ちゃんじゃない?」と話しかけてきたのだった。

怒涛の20代はナカナカの力を持っていたが、なんせ自分でコントロールできずに割と肝心なときに使えないため、宝の持ち腐れのように放置したまま。

最近は毎日が平和こともあり、滅多に始動しないらしい。

「定期は家には無い、駅から家までの間。夜。幅2メートルくらいの、両サイド芝生のコンクリートの道で携帯使った?黄色い月光か街灯。緩やかな上り坂。暗い道。一人で道の真ん中をトボトボ歩いてる。会話じゃなくて文字入力」

と返ってきた。

情景ピッタリ。その道を丁寧に歩いてみたけど、暗くて見えなかった。

結局駅に戻って再発行したけど、楽しかった。

ありがとう。たまには練習させてあげましょう。なーんて。

明日も良い日と、透視しながら。 また明日、お会いしましょう。おやすみなさい。


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