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執筆者の写真秋山妙子

「無差別咀嚼」


その人の灰汁や強めの癖をひとつの特徴として眺めるのが好きなので、嫌いという枠に入れる人が殆どいない。なめらかな表皮の人もいればカメレオンのような鱗の人もいるし、棘だらけの人もいる。

攻撃的な人や悪意のある人は一緒に居て憔悴してしまうので、避ける。

で、癖が強すぎて甚だ疲れてしまうので距離をおきながらも、遠くで眺めたり手を振ってみたりしているうちに、徐々に距離が詰まって、いつの間にかとても好きになっている人もいる。理解が深まったのか、馴染んだのか、何か小さなものがはずれたのか、自分の形が変わって相手に添っていったのか、その工程はわからない。

性差を毎年少しずつ取り去っていく。

歳を重ねて柔軟になっていく人もあれば岩のようになっていく人もいる。

どうでも良いことが増えるかわりに、許せないことも増えてくるのかも知れない。

人は本当にカラフルで面白い。

他人に興味が無いと断言する友達が2,3人いるけど、私は他人全てに興味がある。

見て、触れて、透視して、妄想して、今近くにいる人を無差別に咀嚼したい。

おやすみなさい。


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