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執筆者の写真秋山妙子

「連結し続ける音楽::アドルフ・ヴェルフリ」(長文)


以前友達の「夜の誕生会」に呼ばれた折に、木でできたお皿をピカソのリトグラフと水色の幅広リボンでくるんだのをお祝いに持参して参加したらば、

そこに彼女の家に同居していたアールブリュットを研究しているトルコ人がいた。

そのとき私は日本の作品集を4冊持参したので、彼女と(通訳つきで)話をすることができた。(英語が話せないので、非常にイライラする)

彼女は日本のアールブリュットはなぜ性的な抑圧が描かれないのだろうか、と言っていた。宗教的抑圧、性欲の強さ、もしくは施設の人の検閲もあるのかも知れない。

その彼女のおすすめ展示とのことで、行ってきました。 (おすすめされたら、行って見るタイプ)

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1枚目の前に立ったときから圧倒され、顔がしかまって、興奮した。

激しく共鳴したとき、暴力的な気持ちになる。

それに気づいてから、作品を前に自分を解放したら一体何をしたくなるのか、考えてみるようにしているのですが、今回は。

彼の絵に貼ってある額の硝子を粉々にして硝子の粉を身体にまぶし、それから彼の絵を身体に巻きつけてこのフロアから地面に飛び降りてしまいたい、という衝動でした。(やりませんよ)

筆圧が高く、どこを取っても強引な集中力が執拗に続き、全力で高速連打される音楽は、

途中から色やうねりが入り、果実のような成熟を見せて100人倍音のように反響してました。

端や四隅まで筆圧や色塗りの集中力が絶えることなく、夢のようにブツっと終わっている。

どのタッチにも同じだけの重さと意味があり、

余白やフィーリング、つなぎといった概念も手法も無く、ただただ圧倒されました。

曼荼羅、メキシコ、トーテム・ポール。

原始的な象徴が超個人的な泉から混じり気なく現れたとき、私は一緒に震え、同じ夢を見るように感じる。

出口で、「疲れたね」という声を何人からか聞いた。

彼の作品のポスターが欲しいと思ったけど、うるさくデザインを施されたカタログと、ひどい印刷のポストカード程度しか無かった。

作品を拡大カラーコピーして作ろうかな。

五線譜がうねり、詩のような文字がうねる。ドイツ語ができる人だったら、あの言葉の羅列に音を感じ、別の意味を重ねてさらに重複を楽しむことがことが出来ただろう。もっと言葉の説明に切り込んで欲しかった。

「リーゼリ(リーゼちゃん)・ピエリ!死」

「食料品=店、魚の餌付け」

「象による取るに足りない私の救済」

タイトルがいちいち詩のようで、しかも語感も音も私の好みだったので、これにも唸った。

「父なる」「聖アドルフ」など、タイトルに繰り返し出てくる言葉があった。

その中で私は「ハル(響き)」という言葉がタイトルに入っている絵に強い響きを感じた。

タイトルは先なのかな、あとかな、途中かな。

連作の途中からシノシノしたナメクジのようなものが随所に現れるようになった。

男性的な構築物の随所に生まれてしまった、といった発生の仕方で、それも興味深く、

後で説明を見たら、ナメクジではなく、小鳥だった。(どう見ても飛べないやつ)

面白かった。誰かと話したい!

見た人いるかな?いたら、是非いらしてください!

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さて明日。

こんな店主が施術するスゥェディッシュマッサージiki の予約です。

明日は少し早め、10時から一枠、ご予約承ります。

(次の予約の関係で11時では間に合わない)

火曜日は終日出張、21日水曜の午後14時より受付けます。

そろそろ大人の時間かな。夜の余韻を楽しみましょう。

また、明日。


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