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執筆者の写真秋山妙子

「勅使河原三郎 アブソルート・ゼロ」


勅使河原三郎のダンス公演「アブソルート・ゼロ」を観て来ました。

20年以上前、ひょんなことからこの人の公演にいきなり行くことになり、初めて見たときの衝撃と、自分の中のどのジャンルに彼の表現をしまっておけばいいのか混乱した、あの変な気持ちは忘れられません。

それ以来、タイミングが合えば、観ています。

帰りにご飯を食べながら友達が

「こういうのって、僕達は「何を見に」行っているのだろうね」

と呟いた。これは、良い問いだ。

見に行くんじゃなくて、見に行くんじゃなくて。

その人の表現というか、在り方の、純度の高さを、食べに行ってるんだと思う!!

と白アスパラのナントカを食べながら答えて、

我ながら良い回答だと思った。

しかし、しかしですよ。

今日観に行ったお方々に、一言、言いたい。

拍手が足りません!!

もっと力いっぱい細かく拍手しなさい!!

(そんなに気に入らなかったら、しなくていいけど)

良かった。今回はじめてオペラグラスを持参し、彼の表情までじっくり見た。

顎の関節もまぶたも緩めた顔はどんな動きの中でも静謐で、こちらから差し出せるものは何も無く、

ただただ、眺めるしかなかった。マリア様の表情に似ていて、綺麗だった。

「私(または僕)、なんだか妙子さんと感性が合う」という方は、是非行ってみてください。

2回目か3回目の「アブソルート・ゼロ」、

勅使河原さんも年をとったので、若い頃とは踊り方が違う。

でも昔より洗練されているし、軽やかで、呼吸も綺麗で、

その軽さは彼の人生の残りの時間に比例しているように感じられました。

武満徹のワルツで踊るシーンが好きだ。この作品で武満徹のワルツを知り、廃盤になったCDをけっこうな額で買ったのだった。(もう売っちゃった)

あー良かった。

今日も幸せに眠れる。幸せなことです。

また、明日。


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