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執筆者の写真秋山妙子

「声、いろいろ」


百貨店のジュエリー売り場に行くと、私の目の中には、よく磨きこまれたガラスケースの中に、綺麗に並ぶ細かい反射や光沢を持つピアス、ペンダント、指輪、などがゆっくりの足の速度で横に動いて、楽しい。


きらきらするものに脳が集中していると、頭の上から、凄く高い声が次々頭にかぶさっては消えて行く。


「ナッチャイナテー」 「ドドー、ゴナンクナターイ?」

(いらっしゃいませ、どうぞごらんください、と言っている)


この、接客・販売系に進化した独特な高音。 甘い。人工的な甘さ。

どうしてこんな声を出すのだろう。

この声でジュエリーがより「可愛く」見えてくる、のかしら。

まあ、確かにダミダミしたおばさんの声よりは、良いのかも知れない。


それにしても、何百万円のジュエリーを売る場所では、別な声で営業する筈だ。


この甘い高声は化粧品や雑貨屋さんでも聞くことができる。 たぶんメンズエステの受付もこんな声なのではないかしら。


今日整骨院に行ったとき、奥からいろんな理学療法士さんの声がしていたけど、若い人でも地声に近い声だった。語尾を少し延ばして親密感を出していた。


年寄り相手がメインだから、人口甘味の声では聞き取ってもらえない。ちょっと力が入っている声で、地元の素朴さを出したような印象だ。看護師さんや介護職の人も似た声を出す。親しみと、信頼と、肉体的元気と。


ダンディなお客様がペットの動画を見せてくれたとき、その動画よりも、ペットに向かって放つ、ひっくり返るようなやさしい猫なで声に赤面しそうになったことがあった。

(こら!モモタンは何をちてるんでちゅか!みたいな)


本人は自分のスイートボイスにまったく気づかず、「この子は毎日こんな様子なんですよ、全く」と得意気だったのも可愛かった。


人をどこに置くかでカメレオンのように声が変わる。

女の人は感情的になると高くなって、あきらめると低くなる。

低くなったときが怖い。


「声も体だよね」と言った友達がいた。触れられるくらい、肉感的。


高額商品を売るときは声を変えるという友達もいたし、声を変えることで人生が変わったという人もいた。


私は基本的に、誰と話してもあまり声色の変わらない人が好きだだけど、見た目と同じで、場所によって声を変化させていく技術はとても興味深いところ。


来年は、声の勉強をしたいな。


寒くなりましたね、ではでは、サロンでお会いしましょうー!




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