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執筆者の写真秋山妙子

「そいつを」(施術中の感覚のおはなし)



首や頭の施術は込み入っていて、触った瞬間 「おおぅ・・・」 という固さを持つ人がいる。


私の比喩の中の最上級で、頭コッチコチは「木魚」、首ガッチガチは「屋久杉」。

表面から深部までカッチカチだ。 まずは敵じゃないことを知ってもらう。


治療じゃないからね、痛いことしませんよ。 玄関先まで、入れてもらえます?


ウトウトがやってくるくらい、安心してもらえるように触る。

硬くなるには、いろんな訳があるから、いきなりやってきた新参者の私のタッチでおいそれと緩んでくれる人ばかりじゃない。


なかなか警戒を解いてもらえない時は、これだよね、という場所に触れながら、心の中でお客様の名前を呼ぶ。何度も呼ぶ。気心知れた方なら、声に出しちゃう時もある。すると、なぜかゆるむのが早くなる。(ような気がする)


表面の筋肉がゆるむと、その奥の筋肉にさわれる。 生徒さんに教えるときは、チョコボールのチョコが指の熱で溶けて、中のアーモンドにさわれる、みたいな表現を使う。


でてきた。これだ。 お客様も言う 「それです」


それは、殆どが細かったり小さかったりする筋肉で、骨にしっかとしがみついている。それが岩戸の中のアマテラスさんのように感じる。 親戚が集まる中、ドアや襖の隙間からこっちを見てる5歳児みたいな。


おうおう、こんにちは、という気持ちでふれたとき、お客様が言うんだ。

「そいつをなんとかしてください」

その瞬間、それは隠れてしまう。


「あのねえ、そいつとは何事ですか」 話せるお客様にはそう言う。


現場ではたらく人には「ありがとう」が基本ですよ。


お客様に話しながら、自分も相当、体をいじめてきたよなと思う。重力と戦い続ける身体を、大切にしましょう。


今、関西からの帰りの新幹線。

ヒマなので、ちょっと感覚的なことを書いてみました。


皆様の感覚も、聞かせてね!

サロンの空き情報は、 https://reserva.be/iki1114 からどうぞ。


ではでは、サロンでお会いしましょうー!

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